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 ジム・モリソンは静かで観察者タイプの詩人だった。非常に内省的でシャイと言っていいぐらいだった。
 でも、彼はやはりグループのリーダーだった。
 無口だけど、メンバーは彼のまわりに集まっていたよ。
 ヘンリー・ディルツ
 
 
 
 僕の考えるロックン・ロールとは最高の人民芸術の形であり、民主主義を実現しているものだ。ロックンロールじゃ誰にでもできる。ギターの3コードを学べば、もうロックン・ロールできる。
 歌えるかどうか心配することなんてない。
 ニ−ル・ヤングは歌えるかい?ルー・リードは?ボブ・ディランは?…
 ロックン・ロールであれ、パンク・ロックであれ、必要なのはただ一つ、神経の太さだけだ。
 
 ロックン・ロールはアティテユードだ。だからアティテユードさえ持っていれば、誰が何と言おうとロックン・ロールできる。
 そう信じることがすなわちパンク・ロックなのだ。
 ロックは万人のものだ。
 それはエリート主義とは全く逆のものだから、パフォームする資格があるかどうかなんていう疑問がもちあがるはずがないのだ。にもかかわらずそういう疑問があがったことがあった。
 60年代にね。
 この事実は、60年代というのが、誰もが興奮して語るほどグレートな年代ではなかったことを証明しているかもしれない。
 60年代にはロックン・ロールはひとつの"芸術形式一なのだと考えられはじめた。
 
 でもロックン・ロールは肚の底から沸き上がってくる生の叫びだ。
 パンク・ロックは初めからあった。
 パンクは石を一番生の状態にまで研いだものなんだ。
 力一杯プレイすると、声域は広くなくても信念と情熱が山程あるボーカリストがいれば充分なのだ。
 なぜって情熱こそがすべてだからだ。
 音楽は情熱そのものであり、情熱以外の何ものでもない。
 ヴェルベッツ     
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