成果主義は、必ず教育・訓練、それに伴う考課・評価と共に導入しないと、単なるノルマになります。必ず教育・訓練、それに伴う考課・評価と併せて導入します。
成果主義が失敗するのは、個人のスキルやモチベーションをあげないまま、つまり仕事が果たせる能力がないままに、報酬などのインセンティブによって目標達成を求める点にあります。
誤って導入されている成果主義は、能力と意欲に関心をもたないまま、業績は個人の責任としているケースの多いのが実態です。
簡単に言うと「インセンティブを用意したからやる気を出して勝手にやれ」みたいな面があります。
これでがんばってくれたら楽ですが、結局出来ない奴はほっておけということになります。
心のメカニズムを無視したやり方、人心への配慮が欠けているのが欠点です。
人気企業なら、それでも成果はあがるかも知れませんが、人が集まりにくい中小企業では、人手不足に陥り「成果主義制度」は頓挫してしまいます。
本社が明けても暮れても、「成果主義制度」の会議をやっている間に、現場は放置されたままで業績は低下、導入しても士気は上がるどころか低下の一途、倒産した実例もあります。
その根本原因はひとへの関心の乏しさと関連してプロセスへの無関心にあります。
本来の成果主義(プロセスを評価する成果主義)は企業のビジョン、価値観に沿って個人個人が貢献を実現するために必要な自発的な行動を促し、企業価値を高めることを支援するものです。
一般に企業活動をしている場合、「評価」という言葉がポピュラーに浸透しています。
それを覆すと面倒なので、あえて強調はしませんが、本当は評価の意識を変えてほしい。(だから評価という言葉も使わないことをおすすめします)
評価という言葉は上から目線のため、どうしても「ほめられたい」とリンクします。
つまり顔色を伺う態度を養成してしまいます。
そのため自律心を育む障害を作ってしまう結果になります。
自律心が育まれないと「自律型マネジメント」を築くのは困難になります。反対の作用を引き起こすからです。
これが問題です。
成果主義の本来は自立心を促すことにあります。
成果プロセス主義では、自分で自分の目標を決めて、自分自身で目標達成ができるように自分を管理する目標管理スキルが個人に問われます。
個人のスキルアップを目標達成可能レベルにまで引き上げることを条件にします。
個人にはハードな側面もありますが、自立のプロセスを評価するだけでなく、プロセスの共有によって必要なサポートもするわけです。
そこで大きな役割を果たすのが、自立のプロセス共有と評価をする「等級別スキル基準書」です。
「等級別スキル基準書」は業績のみの評価に偏らないように、能力開発や人間性も給与に反映するものです。
行動を変える道具の役割、教育の道具となり、目標達成手段にもなります。
プロセスをマネジメント&コントロールしながら、「等級別スキル基準書」で成長を、業績で成果を、報酬で承認を、本人にフィードバックすることから、個人個人に安心を与え、チームに所属する多くの人の間で、自分の成長が実感できるようになります。
経営への参画意欲を持つに必要なスキルアップ機会を創出するうえで、「等級別スキル基準書」はその方向性を示し、現在の自分のレベルといま何を、いつまでに何を身につけるのかを知ることができます。
そしてどのようにして身につけるかを自分と上司によって知ることができます。
それを実行することで、業績と連動した報酬制度、つまり本来の成果主義が機能しますが、その結果は個人の幸福感にダイレクトに寄与します。
スキルとモチベーションと目標と承認が一体化することで、自尊感情が高まるからです。自尊感情が高まれば他者への尊重心も高まります。
それらが相互に影響しあい、従業員は同じベクトルに動き、企業は活性化します。
自主的に取り組んでくれることを望むトップや幹部にはこれ幸いの方法ですが、失敗している実例は、マネジメントを手抜きしたいひとのもとで起こっているといえます。
つまりプロセスに無関心なために「結果主義」に陥ってしまうのです。
もともと結果主義で経営している企業が、脱皮する手段として成果主義を導入するものに、単に形を導入しただけで誰も行動を変えようとしないために、状態が変わらないのです。
これはすごく当たり前のことで、行動を変えない限り変わりません。
「目標を達成するとあなたの年間給与はこれだけになります」
これで変わる人は、モチベーションが高く自立心の強いひとです。
そういうひとが少ないから、マネジャーの数が一般従業員より少ないのではないでしょうか?
つまりエキスパートでしかできないことを万人に求めようとしているのです。
これでは最初から挫折が目に見えている。
成果主義を導入するなら、マネジャーが仕事の仕方を「結果主義」から「成果主義」に変えないといけない。つまりトップが方針を変えるだけでなく、トップをはじめ管理者全員が仕事の仕方を変えないといけない。
ところが、トップが方針を変えたが、管理者全員がノルマを背負っただけになっている。仕事の仕方は変わっていない。
仕事の仕方を結果主義から成果主義に変えないと成果主義にならない。
そこで分りやすくするために、「成果主義」を「成果プロセス主義」と呼ぶ。
つまり結果ではなく、プロセスに注目するようにします。
プロセスとは仕事の仕方、手順そのものへの関心です。
正しい行動をしていたら、ふさわしい結果は出る。
間違った行動をしていたら、やはりそれにふさわしい結果が出る。 それにあわせて評価を変える。
「結果がよければほめる」ではなく、 「正しい行動が継続できるように励ます」に変える。
正しい行動をしていても、ひとは気分で動くので、いつの間にか変わってしまいます。
それを防ぐためにプロセスに注目し、正しいプロセスが続くようにする。
「正しい行動が継続できるように励ます」のは大変です。
ずっと観察していないといけないからです。
「結果がよければほめる」は、ゴルフをしていてもできます。
殿様のようなトップにはうってつけですが、意欲的なトップには不向きで、意欲的なトップが誤って結果主義を採用してしまうと、汗と涙の努力を台無しにします。
マネジャーが、ずっと観察していて、行動に注目して、励ましてもらえたら部下はうれしいものです。
部下がやる気をなくしている一番の要因は、自分より上位の職位のひとの無関心です。
成果主義はひとを、金で動かすものと思い込んでいるひとがいますが、そうではありません。
成果主義は心で動かすものです。それを明確にする意味でも、成果主義を成果プロセス主義と呼びましょう。
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