FOR THE GOOD TIMES
心の想い出


ニューヨーク--------。

ブロードウェイ通りから東へ一本入った通りにHMVがある。

エルヴィスの最新盤『THE CUNTRY SIDE OF ELVIS』や、
5枚組ボックスセット『THE COMPLETE 50'S MASTERS』が多くストックされているのが目をひく。

そこに”インポート”のラベルを貼った日本オリジナル企画の紙ジャケットシリーズもストックされている。
$30だから3900円〜4000円、国内では2000円だから倍の高額で販売されている。

因に最新盤の2枚組の『THE CUNTRY SIDE OF ELVIS』は$31だった。
紙ジャケットシリーズの制作に汗を流した方々の熱い思いを感じずにはいられなかった。
やはりいいものはいいのだ。

サンレコードの名曲をメジャーなアーティストがカヴァーした『GIOOD ROCK'N’ TONIGHT 』も
日本と違って大量に展示されていたのをはじめ、
サンやロカビリーのCDも日本の比ではない。1920〜30年代に建てられた、

またそれ以前のビルがいまだに軒を並べて立ち並ぶお国柄らしい。



キングコングが襲ったエンパイアビルはいまだにひび割れひとつないとのことだ。

 

 

そのHMVの隣にはワックス・ミュージアムがあり、
道路にはサミュエル・L・ジャクソンの蝋人形が立っている。


あまりのリアルさに、最初は本物と思ったほどだ。
その美しい建物の中には勿論エルヴィスがいて、ジェリー・リー・ルイスが横にいた。


”ELVIS PRESLEY!ELVIS PRESLEY!ELVIS PRESLEY!"と
騒ぎ立て自分の娘とツーショットに懸命だった、

旅行中のママもやはりエルヴィス・ファンだったのだろう。

映画・音楽・スポーツなどの
スターや政治家の蝋人形が200体から展示されているというが、
土産物売場で売られているスターのグッズはエルヴィスだけである。

レザージャケット&パンツを着たエルヴィス・ベアが
エルヴィス・グラスをかけて腰振っている。
数多くのエルヴィス・グッズに囲まれ幸せそうに見えた。

観客が馬車に乗ってニューヨークを見学するロールプレイングの映画も上映されているが、
そこでもエルヴィスに熱狂するファンの群れや
56年当時のコンサートの風景が登場する。


やはり”THE KING OF ROCK'N' ROLL”はアメリカの一部なのである。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニューヨークは、多くのファンを熱狂させた街だが、
かってエルヴィスが苦渋をなめた街でもある。

その街が
頑張っている。


テロの被害にあい、「テロに屈しない」「みんなを元気づける」という意味からも
厳戒態勢を維持しながらも、
主なイベントを一切中止せずに遂行していく姿は感動的である。

やはりニューヨークなのだ。
「ニューヨーク!ニューヨーク!」というだけある街なのである。

この街こそ「アメリカ」そのものなのである。





16年ぶりとなるエルヴィスのニューヨーク・コンサートは
当初、昔からのニューヨーク名物であるラジオシティのホールを予定していたが、
より多くの大観客を収容できるマディソン・スクエア・ガーデンに変更された。

マディソン・スクエア・ガーデンは
1879年にマディソン・スクエアに建造されたが、
その後、数回場所を移転、1968年に4代目がオープンした。

場所は変わっても名前は受け継いでいるあたりがアメリカらしいいい感じである。

アムトラックと地下鉄のペンシルバニア駅を
地下に有する大規模なマンハッタンの名所である。



当時オープンして4年目だった1972年6月、
マディソン・スクエア・ガーデンに登場したエルヴィスは、
自分が何者なのかということと格闘していたように思う。


ロサンゼルスに住む者にとってもニューヨークは「大都会」なのである。

まして南部の田舎で暮らして来た21才のエルヴィスには
「晴れの街」だったのだ。

しかし1956年、タキシードを着て、
これまた正装した犬に向かって歌うという茶番は
エルヴィスを、心ならずも傷つけもした街なのだ。

 

コンサートの翌週に全米でリリースされた
『エルヴィス・イン・ニューヨーク/Elvis As Recorded At Madison Square Garden』

エルヴィスは<オープンニング>に続く<ザッツ・オールライト>を
いつもより気合いの入ったスピーディでパワフルなパフォーマンスを披露する。

一気に、メンフィスサウンドが痛快なCCRの<プラウド・メアリー>をドラムを効かせ、
パワフルに歌い熱烈な声援を受ける。


広い会場をコンロの上で踊っているやかん状態にしたのだ。
会場を埋め尽くした人々の血が煮えたぎっている。

見事だ。

始まって数分、エルヴィスは戦いに出たのだ。
ここまでの戦いは素晴らしく絶賛に値するだろう。

『エルヴィス・イン・ニューヨーク』は
緊張感が伝わるステージを記録して見事である。

 

しかしエルヴィスのベスト・パフォーマンスかというと残念ながらそうではない。
やはりエルヴィスも人の子なのだ。ニューヨークの空気がエルヴィスを押し返す。

エルヴィスは地元ブロードウェイの
大ヒットミュージカル『ラ・マンチャの男』から<見果てぬ夢>を引っぱり出してきて歌う。

この選曲にも敬意を表したい。

やはりエルヴィスはニューヨークに敬意を表しながら、
マディソン・スクエア・ガーデンで真剣勝負をしているのだ。


 

実はこのアルバムには少しトリックがある。
アルバム1枚に収録するには全体の演奏時間が長いために
ソースを早回ししているのだ。

それにしても、まるでボクシングを観ているような気分にさせられるステージだ。

第1ラウンド〜第2ラウンド果敢な攻めに出たエルヴィスが、
ニューヨークから必殺パンチは受けないまでも、エルヴィスも決め手が出ない。

懸命に戦っているのが分かるだけにもどかしいのだ。
(悪いステージと言っていない、エルヴィスの本領が発揮されていないだけだ)

そうこうする内にどこか投げやりなエルヴィスが顔を出したりしながらも戦っている。
それでもファンの支持は熱烈だ。

ショーは佳境に入る。このままなら「判定負け」になりそうだと思った時だ。

<ハウンドドッグ>をマンハッタンの夜にふさわしいアレンジで聴かせ、
歓声の中にエルヴィスは自分の後ろ姿を見つける。



追いかけるように、矢継ぎ早に<サスピシャス・マインド>に入る。

<サスピシャス・マインド>の後半になってから、
エルヴィスが完全燃焼モードに入っている。


汗が飛び散り、自分の世界に没頭している。



エルヴィスはマディソン・スクエア・ガーデンを、ニューヨークを、遂につかんだ。

激しい曲が終わる。素朴なメロディーが演奏される。

 

悲しい顔はやめて、
もうすべて終わったこと
それでも人生は続きこの地球も回り続ける
共に時を
分かち合えたことだけ感謝しよう
失っていくものを見守る必要などないさ
僕の枕に頭をのせてその暖かく柔らかな体を傍らに横たえて
やさしく窓に吹きつける雨のささやきに
そっと耳をかたむけて
もう一度、愛し合っているふりをしよう
幸せだった日々をなつかしんで

僕なら平気さ、君にも新しい恋人が見つかる
でも必要なら
僕はいつでもここにいる
明日のこと
そして未来のことも口にしないで
悲しむ時間は
君が去ったあとに十分あるから
僕の枕に頭をのせて
その暖かく柔らかな体を傍らに横たえて
やさしく窓に吹きつける雨のささやきに
そっと耳をかたむけて
もう一度、愛し合っているふりをしよう
幸せだった日々をなつかしんで
幸せだった日々をなつかしんで

アルバム/エルヴィス・イン・ニューヨーク

アルバム/
アフターヌーン・イン.ザ・ガーデン

<サスピシャス・マインド>で
見事なパンチを打ち込んだエルヴィスは
カントリーのやさしいメロディーでニューヨークを自分のものした。


第一次世界大戦が終わり、
「地獄の勇者たち」と称賛された黒人だけの部隊、
毒ガスでも撃ち破れなかった戦線を黒人音楽で勝利した第369部隊

その凱旋パレードを100万人の白人が出迎えた。アメリカの良心に乾杯だ。

「コットンクラブ」が誕生し、黒人の希望となったハーレムが誕生し、
ジャズが栄え、摩天楼が聳え立ち、
世界の美術が集まる街、世界がモデルにしてきた地上、最も先進的な街を、
エルヴィスが愛してきた何でもない”大いなる田舎的なもの”で制圧しているのだ。

 

 

<心の想い出>を歌うエルヴィスは素晴らしく自然体である。
エルヴィス以外に誰もこんな歌い方などできない、

それは『エルヴィス・カントリー』と呼ぶにふさわしく、
小さな男の子がひとりで遊んでいるような宇宙を感じさせる。

自由の女神と同格の雄大さで自由であることの
素晴らしさを歌で人々の心に点しながら、
ニューヨークに立っている。

もうここには、体を動かすなという指示も、
タキシードも犬も演出すらいらない。

自分が何者なのか、
自分はニューヨークに迎え入れられる人間なのか、
ということと格闘していたエルヴィスは、
ただひたすらに自分のままであることに没頭した時、
人は何も恐れることはなくなるのだということを世界中に教えてくれたのだ。



<心の想い出>の後には、<アメリカの祈り>が登場する。

その冒頭でおふざけをしているが、
エルヴィスはこの地でやっと「自分」を感じとれたことが余程嬉しかったのだろう。

アメリカの祈り><時のたつのは早いもの><愛さずにいられない>と続いていくが、
そこでは自然体で歌うエルヴィスが
誰かの目を意識するわけでもなく
歌いたい曲を歌いたいように歌っていて感動的だ。


クロージングの<好きにならずにいられない>まで、
「THE KING」にふさわしく、例えエルヴィス自身が、
そう呼ぶなと言っても、そう呼ぶべき内容のあるの姿を披露していて、
それは眩いほどに見事である。


15億人が同時に体験した『ハワイ・ライブ』でもそうだが、
ショーの最初では、あきらかに緊張が見られる。

<スティーム・ローラー・ブルース>当たりから調子が上がりヒートアップしてくる 。
汗がしたたり落ちるほどにエルヴィスは自分の世界に突入していき、
グングン調子が出てくる。

そういう意味では我々はエルヴィスの内面に入っていってるとも言えないか?

エルヴィスが懸命に汗を流し重い秘密の扉を開いてくれて
「さあ、おいで、ボクの世界を見せてあげる」と誘うのだ。
そこで観客たちは、はっきりは見えないけれど、
光り輝いている世界に触れる体験をするのだ。

それが何か、分からないまま、観た者は、
もっとしっかり観たいと願ってしまう。


エルヴィスと、他のアーティストが同じ曲を歌って、
なぜこうも違いすぎるのか、そこにエルヴィスの秘密が見えてくる。

他のアーティストが「自分のパフォーマンス」を聴かせてくれるとするなら、
エルヴィスはただ「自分の世界」を見せているだけなのだ。

楽曲はその役目を果たすだけのものである。
その意味でもエルヴィスには一般的に言う「作曲」をする必要などなかったのだ。

その歌声は、
見えても見えなくても
聴こえても聴こえなくても
あなたの感じるままに心を動かせなさいと言ってるようである。

 



Don't look so sad I know it's over
But life goes on and this old world will keep on turning
Let's just be glad we had some time to spend together
There's no need to watch the bridges that we're burning
Lay your head upon my pillow
Hold your warm and tender body close to mine
Hear the whisper of the raindrops
Blowin' soft against the window
And make believe you love me one more time
For the good times

l'll get along, you'll find another
And I'll be here if you should find you ever need me
Don't say a word about tomorrow or forever
There'll be time enough for sadness when you leave me
Lay your head upon my pillow
Hold your warm and tender body close to mine
Hear the whisper of the raindrops
Blowin' soft against the window
And make believe you love me one more time
For the good times For the good times

 

1972年6月、エルヴィス37才。マンハッタン。
ニューヨークッ子、熱狂。

ELVIS HAS LEFT THE BUILDING!
------------エルヴィスはもうここから離れました-------。

車は丁度、藤色とバラ色に染まった夕空の下、
ビルの谷間をすべるように走っていた。
私は言葉にならない声で叫んでいた。
そうだ、私には分かっていた。
自分は望むものすべてを手に入れてしまった人間であり、
もうこの先、これ以上、幸せになっれこないんだということが。
(スコット・フイッツジュラルド 「マイ・ロスト・シティ」)

I LOVE ELVIS, WE LOVE ELVIS.
エルヴィス2002年の生誕祭に寄せて。

 

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