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Girls!Girls!Girls!
ガール!ガール!ガール!

香港映画「恋する惑星」は大好きな映画だ。香港映画は滅多に見ないし好きではないがこの作品は例外だ。
この映画ではパパス・アンド・ママスの<夢のカリフォルニア>が繰り返し繰り返し流れる。主人公の女性(というよりこの映画の場合「女の子」)が登場するたびに彼女が聴いているのだが、ひとつの曲がこの映画ほどキャラクターを表現するのは珍しい。結局彼女は恋い焦がれていた男からデイトの申し込みを受け、カフェ「カリフォルニア」で会う約束をするが、そこには行かずに本当にカリフォルニアへ行ってしまう。男へは手書きの「航空券」をことづける。

こんな風に聴ける歌がある人は幸せだと思う。知り合いの女の子に映画『バクダット・カフェ』を観てアメリカに行ってしまった子がいた。彼女はアメリカで結婚して暮らしている。英語が話せたわけでもなく、綿密な計画があったわけではない。海外旅行の経験はハワイに1回行っただけ、ハワイ・パックツアーと映画の引力だけでアメリカ人になってしまったというのは、なにはともあれ凄いエネルギーだなと感心する。

そのハワイ・パックツアーの際、オープンカーをレンタルしてドライブすることを強く薦めたのはこのピエロ。その原風景は『ブルー・ハワイ』だった。エルヴィス・プレスリーがガイドして島を走るシーンが印象深い。画面からも感じ取れるあの爽やかな風をキャッチすれば誰でも胸騒ぎ。

ピエロも最初の海外経験はハワイだった。空気にブルーの色がついている錯角をするほど強いインパクトを受けた。なによりハワイで「エルヴィスの影」を探した。しかし当時映画を通じて知っていたのは『ガール!ガール!ガール!』と『ハワイアン・パラダイス』のハワイだった。当時『ブルーハワイ』は古くて見る機会もなかったので見ていなくて、この2作品にはいわゆる観光地は登場しない。唯一『ハワイアン・パラダイス』のラストでの華々しいフィナーレに登場したポリネシアン文化センターらしきものだけと記憶する。

気分はすっかりエルヴィス・プレスリーになっても、映画で見た風景など出てこない。盛り上がっていた分がっかりしたものの、ハワイで探したのは実際にはエルヴィスの影ではなく、エルヴィスが教えてくれた「アメリカ」だったのだ。エルヴィス映画に感じた空気をハワイで探したのだ。個人の自由を認め、乾いていて、着ているものがTシャツやアロハに象徴されるように皮膚そのもの。大雑把に潜んでいるどうでもいいことへの無関心とその裏側にある希求するものへの情熱。

とにかく演歌に代表される「音楽」が嫌いだった。すべての音楽が嫌いだった。
その音楽嫌いを一瞬、かつ完璧に打ち砕いたのが、<心のとどかぬラヴ・レター>であり、そこまで誘導したのは『ガール!ガール!ガール!』のタイトルシーンだった。
画面にあるGirls!Girls!Girls!のロゴ、やさしいように思えた海と空の色、乾いている空気を代弁しているようなガールズたち、エルヴィスの歌と屈託のない笑顔。
それが最初の覚醒したアメリカ体験だった。ジョン・ウェインの『アラモ』のような歴史のアメリカではなく、生活者が存在しているアメリカだった。
映画館の椅子の上で、自分の座っている場所とエルヴィスの写っている場所は明らかに空気が違うことを感じた。


エルヴィス映画を多く生み出したハル・B・ウォリスというプロデユーサーは得体の知れない人ではない。その作品の質はともかくマネー・メイキング、言い換えると観客を集める力を持ったパラマウント映画社ナンバー1かナンバー2の地位にあるプロデユーサーだった。ジェリー・ルイスやディーン・マーティンらのヒット・シリーズも彼の手によって生み出されている。つまりアメリカ人が好んだアメリカ映画、いわゆるアメリカそのものと言える。それは大抵はくだらないものだけど、その向こうにはそのくだらなさを安らぎにした「リアルな生活感」がある。

スクリーンのエルヴィス・プレスリーのこちらと向こう側にあるギャップに強烈な違いを無意識に感じ、それを再確認する作業として、映画館やレコード店にいるエルヴィスを探した。『ガール!ガール!ガール!』の陽気でセクシー、エルヴィス60年代前半1、2を競うポップでロックなパフォーマンス<心のとどかぬラヴ・レター>、『恋のKOパンチ』オープニングでの<広い世界のチャンピオン>の孤高の溌溂、ただクルマの上で歌っているだけのナンでもないようだけど、例えば『モダン・タイムス』のラストシーンに匹敵する、本当には胸が熱くなる、とんでもなく素晴らしいシーンだ!。
それらは虚構であったにしろどれもピカピカ輝いていて本当に胸踊らせるカリスマだった。
その当時買うことが出来たのはジャケットの片隅にパンチ穴のついた廃盤処分のレコードや場末の安い入場券ばかりだったけれど、そこには「惑星」があった。

その遥かなる惑星へ誘ったのは出合い頭の一撃『ガール!ガール!ガール!』のタイトルシーンとそのメインテーマ曲。
<ハウンド・ドッグ><ララヴィング・ユー><ボサ・ノヴァ・ベビー>等でお馴染みジェリー・リーバー&マイク・ストラーのコンビによる<ガール!ガール!ガール!>なのだ。
コースターズのモノがオリジナルで61年にチャートインしているだけあって、しっかりしたロックナンバー。
バックコーラスの突進、サックスの雄叫び、健康的なエネルギーが溢れるエルヴィスの歌声は気持ちがよく、鯉のぼりの空に吹く五月の風のような爽やかさだ。勿論アルバム『ガール!ガール!ガール!』には穴があいていて、風は永遠に吹き抜ける。
それはいつでもあの暗い映画館の椅子で「アメリカを見ていた自分」に戻してくれる。

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