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ロックな書き場から そして・・・・トゥルー・ロマンスが聴こえる場所に。 「ロックな書き場」という掲示板がありました。それを突如廃止しました。 トゥルー・ロマンスに哭いた! エルヴィス・プレスリーの活動は50年代、60年代、70年代と大きく3つに分けて語られる機会が多い。 それをどう見るかは個人によるし、見方で変わるかも知れない。ボクは他者がどう見ようがそれはそれで否定しない。 本当に自分がしたいことに向かって夢の真っ只中を疾走する、若く男のエネルギーに満ちた50年代。男性が惹かれるエルヴィス・プレスリーの創造と野心の時代。 60年代と70年代は自分のためでもなく、ファンや周囲の人々への愛情と奉仕の時代です。映画、ステージと毎日変化のしない仕事に、コツコツと自分を捧げる中に、より素晴らしい自分がいると信じた大いなる母のエネルギーに満ちた時期。それは大半の主婦の日常そのものであり、エルヴィスが愛した母グラディスの姿に他ならない。エルヴィスは、そのような女性をいたわるかのような声と歌で応えた。自分のためでなく家族のいまと未来のために毎日根気よく暮らす自分の姿とダブっているせいかも知れないが、多くの女性がもっとも愛してやまない、奉仕と愛情の時代。 打算でもなんでもなくただひたむきに自分の生を生きようとしたこと。人生半ばにして人々へ愛情と奉仕の中に自分を見失い苦しみ、終に抜け出せないまま逝ったこと。相反する事柄のように見えて、終始一貫していたと思える「何かを成し遂げたかった思い」。エルヴィス・プレスリーの物語、それは世論を自論とせずに生きた男の物語。 タランティーノの新作映画『KILL BILL』が公開される。タランティーノというと『TRUE ROMANCE』って映画見た人多いですよね。主人公ふたりが目の前の困難を乗り越えていく物語。乗り越える原動力も乗り越えた先の目標も、いま困難から逃げない理由も「愛しあっている」ことだけ。余計なものが何もない。どこの社会でもいろんなメッセージを出して、愛だけでは生きていけない。学歴がないとだめ、資本金がないとできないなど口々に困難と不安をあおる。 『TRUE ROMANCE』は愛する以外何も持っていないけれど、世間の常識の囚人にならずに、自分と恋人を信じて、ピカピカ、キラキラに疾走する男と女の物語。気持ちの若い人はそれに共感してこの映画を絶賛している。人々は共鳴しながら愛と勇気をもらおうとしているのかもしれない。映画は虚構だけど、ロマンスとは何かを教えてくれる。そこにあるのはロックンロールそのもの、パンクそのもの。 主役のカップルはエルヴィスが身につけていた馬蹄型の指輪をしている。主人公(クリスチャン・スレイター)がエルヴィス・マニアで、ソウル・メイトとして一瞬だけど、ジャンプスーツを着たエルヴィス・プレスリーが影のように登場する。困難と戦っている主人公に向かって「おれはお前のことが好きだ」とエルヴィスに言わせている。やさしいな。 脚本はエルヴィスがヒーローだったタランティーノだけど、彼の作品としても最高傑作の太鼓判をペタペタみんが押している。 影のように登場するエルヴィス役が観客には誰が演じているのか全然誰か分からない。実はバル・キーマーだけど、そんな主演級の俳優使わなくても撮れるほどの一瞬。エルヴィスにこだわり抜いている演出。でもなぜ、エルヴィスなのか?エルヴィスの出世物語は有名な話だけど、エルヴィスって貧乏で学歴もなにもなく、しかも周りでお前はプロになれるよって評価があったわけでもないのに、自分の才能を信じてプロの階段をあがっていった。その意味で何も持っていないけど初期衝動を信じて、やりたいことにただ疾走する主人公と同じ。 南北戦争に匹敵するメガトン級事件 ロックというのはどんな音楽か明確なものはない。ボクは姿勢だと思う。では姿勢とはどんな姿勢かというとそれも曖昧かもしれないが、反抗、反体制の音楽といわれることで少しは分かる。しかしそれはどこからきたのかとなるとエルヴィス・ムーヴェント、最初のロカビリー・ブームに尽きる。 爆発的に売れているレコードは悪魔の音楽という理由で焼かれ、放送したDJは首、コンサートに行った学生は見せしめのように停学処分。青少年を堕落させるという理由でコンサート会場貸出拒否、ステージで身体を動かすと即刻逮捕という状況で警官に取り囲まれたライブ。若者の絶大な人気に支持されてテレビ出演しても激しく動かす下半身は卑猥との理由から写さない。 なぜそこまで抑圧されたかというと黒人差別が絡んでいた。ロックンロールそのものはR&Bでもあり、エルヴィスがゴスペルから学んだと語っているように、エルヴィス以前からあった、白人バンドがヒットさせた<ロック・アラウンド・ザ・クロック>という曲はエルヴィスより先。しかしサウンド聴くと分かるけれど白人と黒人を分離する壁を蹴りやぶったのはエルヴィスが最初。 アメリカ中のティーンエージャーを魅了したエルヴィスは敵対視された。白人家庭の脅威となった。ほとんど一夜にして突如価値観が変わった。黒人差別に「大人は分かってくれない」思いが加わりひとつになってアメリカ文化の大転換が起こった。死者こそでないものの、南北戦争に匹敵するメガトン級の事件がたったひとりの若者によって起こった。しかしエルヴィスは意識的に反抗したわけでなく、存在そのものが反逆児として扱われただけ。そこがエルヴィス以降の意識的に反抗するロッカーとは決定的に違う。「対立」がビジネスになると計算した音楽産業と周辺はロックを反抗の音楽にした。 アメリカの田舎のインディーズ・レーベルからエルヴィスが登場して20余年過ぎた1977年、巨大産業となったロック・ビジネスにDO IT YOUR SELFをポリシーに突進したのがロンドンのパンク・ムーヴェントだった。エルヴィスもビートルズも死んだ!」と言いながら、「バック・ツゥ・ザ・キング」そのものだった。エルヴィスこそロックそのものであり、パンクそのものだ。 こんな話はエルヴィス・ファンなら耳にタコができるほど知っている。でもボクはいつだってエルヴィスを知らない人に向けて書いている。 エルヴィス・ファンには古くからのファンが多く年配者が多い。それにしても、いままで扱ったことのない掲示板やメーリングリストに接していくときに、その不慣れゆえに「パソコン使うのが苦手」という言葉はすでに使っている人間が言うべき台詞じゃないはずだ。サン・レコードのエルヴィスがもう夢見る青年ではなく、本当の自分に向かって夢を疾走していたように、傍観者ではないのだから。 ある中国人女性が日本の建設会社で働いていたが、あまりの男性社会に嫌気がさして独立。設計図を書く仕事を始めた。IT時代の特長を活かし自分は日本で営業活動、図面を実際に書くのは低賃金の中国。低料金で不況の建設業界に切り込んだ。驚くべきはこの図面(CAD)を誰が書いているかだ。なんと腰の曲がった、杖をついて歩いている70〜80歳の老人たちがコンピュータを駆使して書いているのだ!さすがにこの中国人女性自身もその光景にショックを受けたという。オー、ロックンロール!!この女社長は「日本人はどれだけいいものを書いたかで評価するが、中国人は何枚書いたかで評価する」と語る。 中国人や韓国人のほうがアメリカ的だ。というか日本人が異質なのかも知れない。ちっともロックじゃない。中国人や韓国人は単身アメリカに乗り込んでガレージで商売を始める。稼ぐと再投資あるいは一旦帰国してパワーアップして再び乗り込んでくるか、自分の国か行きたい国で始める。平気で12時間〜18時間働く。カッコなんか気にしない。体裁で評価もしない。競争相手に果敢に攻め込む。無駄使いせずに黙々と一生懸命働いて再投資する。トゥルー・ロマンス!エルヴィス・ファンなら意地でもパソコンごときに音をあげるなかれ!負けたらアカンで、日本人! 創って壊して星を刻んで今日も痛みの鐘は鳴る。 トゥルー・ロマンスの疾走!いまの日本にはこれが必要なのだ。金、コネ、学歴、そんなもの頼らずに「当たっても砕けるものか!」の突進。何もないけれど、どうしてもそれをしたい」という思いひとつで体当たりしていく。それは『TRUE ROMANCE』そのものだ。 「画家として認められて生活していくには、どこでどうしたらいいのかって聞かれるけど、そんなこと考えている時間があるのなら、まず絵を書くことのほうが大事。」とMAYAMAXさんがコメントしているけれど、それも同じこと。赤字出しながらでもフリーペーパーにこめる自分の衝動を世の中にぶつけている人。あるいはボクが大好きなカフェの社長は、中学で家出して、20歳で独立。30歳にしてカフェブームの立役者。この店で働く人の笑顔がみんな素敵。薄利のメニューで獅子奮迅、売れ残ったら涙のごみ箱最終便のギリギリに命燃やしてる。 あるいはおいしいパンを出してくれるカフェ。ガラスのようにピカピカに磨いた床、その床をテキパキと力を込めて磨くリストバンドのついた腕と膝を包むジーンズ、テーブルと椅子の位置にこだわる女の子の寡黙な視線が好き。そこには人間の血の通った思いがある。人間力。理屈は大事だけれど、どんなに勉強していろんなこと知っていても、「やりたい」「書きたい」「お客さん感動させたい」・・・磁場が発する力が好き。人間から人間力の衝動を消し去るとどんな素敵も意味がない。 ボクには先にあげた彼らこそ、ひりひりするロマンス歌うロックンローラーに見える。街に小さい音かもしれないけれどホントのロックンロールが鳴り響いている。素敵なロックンロールを聴かせていただいているお礼にボクは好きな人にエルヴィスのCDを配って歩く。 こういう状態で未来を担うはずの子供はなにを学ぶのだろうか?躾ってマナーやルールを教えることだけど、マナーやルールとは生き様、生き方のスタイルのはず。情報としてマナー、ルールが入り込んできているだけで、生き様ではないから誇りがない。だから新しい情報と共に古い情報は簡単に書き換えられる。「おかあちゃん、古いな」で終わり。ほんとうはそうでないはず。だからブランド品を持っている人が100円ショップで買い物できる程度のプライドしかもっていない。それも文化といえばそうかも知れないが。幸福の代用品いくら身辺に引き寄せても幸福にはなれない。つまり誇りとは自分の幸福へのストレートなこだわりなのだ。重要なのは好きな女とつながりたいように、生き様に向かってつながる「それをやりたいんや」という衝動。 定冠詞つきのTHE KING OF ROCK'N'ROLL の意味は先駆者へ寄せられたアメリカ国民の畏敬の念に他ならない。テクニックを嫌ったエルヴィス・プレスリーは最後まで一発録りの情念にこだわった人。つまりスタジオ録音というものの状況はライブと同じ。大掛かりな機器は不要、集まったミュージシャンが1、2の3で録音する。ディスニーのアニメ『リロ&スティッチ』のサントラに使用された<悲しき悪魔>なんか1テイクしかない。機械力ではない、人間力の世界に音楽の本質を求めた。 「あれ以来、世界は変わってしまった。エルヴィスが僕の人生を変えたんだ。(ジョン・レノン)」「世界がモノクロからカラーに変わったみたいだった」(キース・リチャーズ)、「監獄から出たような気分だった(ボブ・ディラン)」彼らが口々に放った言葉こそいまこそ大事なときなのだ。ロックンロールは生き様、モノクロになっていく日本をカラーに戻したい。エルヴィス・プレスリーの音楽はそのための力でありたい。 2ND TO NONE〜エルヴィス・オンリーワンの足音を聞きながら 昨年に続いてアルバム『2ND TO NONE〜エルヴィス・オンリーワン』がリリースされる。貴重な未発表曲が収録されていて古くからのファン用にお楽しみも用意されているが、全体的には新しさはない。エルヴィスを知らない人に向けてのアルバムだとボクは受け止めている。 その曲には、エルヴィスの声、歌、演奏、人、社会状況のみならずエルヴィスと共に歩んだエルヴィス・ファンも内包されている。 だから新しいアルバムにそれ以上は、古い記憶を持ち込まないことをボクのルールとしたい。新しいアルバムをまっさらのままにエルヴィスを知らない人に聴いてもらいたい。たとえ数は少なくても、聴いた人には、エルヴィスが本当の自分に向かっていく衝動を知ることで一生の友になる声と思う人も出てくるはずだ。 『2ND TO NONE〜エルヴィス・オンリーワン』のリリースの足音が聞こえてきた時・・・・ボクができるかもしれないことは、タランティーノと握手することしかないと思った。 タランティーノが姿も見せないバル・キーマーが扮したエルヴィスに「おれはおまえが好きだ」と言わせたその言葉の重みと、彼のエルヴィス解釈から溢れ出るエルヴィスへの真摯な畏敬の念こそをボクは引き継ぎたいと思い願った。それがアルバムに内包されたらアルバムはもっと輝きを増すはずだと思った。たとえ新しいアルバムに間に合わなかったにしても、エルヴィスは決して歴史から消えることはないのだから。 エルヴィスが好きだから、内なる衝動に愛をこめて、杖をついても自分がしたいことに向かって夢の真っ只中、つまり混乱を疾走することしかない。 エルヴィスと ELVIS SECOND TO NONE〜エルヴィス・オンリー・ワン ●I'm A Roustabout (unreleased) 40年ぶりに発掘されたエルヴィスの未発表曲。映画「青春カーニバル」(Roustabout)の主題歌の「Roustabout」とは違う曲。 ●ラバーネッキン/Rubberneckin' (Paul Oakenfold Remix) ●トラック・リスト 1.ザッツ・オール・ライト/That's All Right 2.忘れじの人/I Forgot To Remember To Forget 3.ブルー・スエード・シューズ/Blue Suede Shoes 4.アイ・ウオント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラブ・ユー/I Want You, I Need You, I Love You 5.ラブ・ミー/Love Me 6.ミーン・ウーマン・ブルース/Mean Woman Blues 7.ラビング・ユー/Loving You 8.やさしくしてね/Treat Me Nice 9.思いでの指輪/Wear My Ring Around Your Neck 10.闇に響く声/King Creole 11.トラブル/Trouble 12.アイ・ガット・スタング/I Got Stung 13.アイ・ニード・ユア・ラブ・トナイト/I Need Your Love Tonight 14.メス・オブ・ブルース/A Mess Of Blues 15.アイ・フィール・ソー・バッド/I Feel So Bad 16.リトル・シスター/Little Sister 17.ロカ・フラ・ベイビー/Rock-a-Hula Baby 18.ボサ・ノバ・ベイビー/Bossa Nova Baby 19.ラスベガス万才/Viva Las Vegas 20.明日への願い/If I Can Dream 21.メモリーズ/Memories 22.ドント・クライ・ダディ/Don't Cry Daddy 23.雨のケンタッキー/Kentucky Rain 24.この胸のときめきを/You Don't Have To Say You Love Me 25.アメリカの祈り/An American Trilogy 26.オールウェイズ・オン・マイ・マインド/Always On My Mind 27.約束の地/Promised Land 28.ムーディ・ブルー/Moody Blue 29.Bonus: I’m A Roustabout(ボーナス・ソング) 30.Bonus: ラバーネッキン/Rubberneckin’(ボーナス・ソング) Rubberneckin’/ラバーネッキンの意味 「ゴムの首」つまり「野次馬」 Second To None/セカンド・トゥ・ナンの意味 何事、あるいは何者に対しても劣らない、誰にも負けないものの意味 Roustabout/ラスタバウトの意味 サーカスでテント設営、動物の世話など裏方で働く雑役係の意味をはじめ船、農場、油田など働くワーカーをさします。 |
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