赤い畑の上、ひとつの金の星が
彼の頭上に上ってきた
彼の頭上に上ってきた
彼はほかの誰とも違っていながら
ほかの誰もと同じだった
そして、彼らがしぼり出した歌は
彼をほめたたえる歌だった

目覚めなさい、小さき者よ
革命の種は
着古した質素な衣服の
柚に縫い込まれている
ほかの者たちなら飾り立てる衣服に
北部の平原の空
大いなる鳥たちが
大いなる翼を広げて舞っている
水田の上に
そして、人々はひざまずき
男たちは耕し続ける
いまだ自分たちのものではないものを
子供たちは飢え
車はきしみを上げる

そこに、草で編んだ庵の前
若者が立ち上がった
彼の母は死の床にあり
妹たちは腹をすかしていた
彼のまだ若い心の中には
革命の種が埋め込まれていた
ほかの者たちなら茸わ立てる
着古した質素な衣服の中に

彼はひとりの男に成長した
ほかの誰とも違っていながら
ほかの誰もと同じ男たった
ひとりの小さな男だった
米の色のひげをし
紅茶の色の顔をした男
ギロチンを逃れて
足かせをつけられ
鎖につながれた
ほかの男たちと悲哀を分け合う者

植民地主義、帝国主義と
戦い抜く者
ほかの者たちが眠っている聞も
起きている者
ジェファーソンのようにペンを走らせ
独立の鐘を響き渡らせた男
正義の荷車は
ゆっくりと、苦しげに回り焼けた
人々は泣き叫びながら
ひとつひとつ、種を植え続けた
巨大な獣の下を
彼らは腹ばいになって進み
荷車は彼らの死体でいっぱいになった
彼らの作物が載っていたはずの荷車が

そして大いなる鳥はその翼を広げ
彼らの頭上に群がった
彼の母は息を引き取った
台風が襲いかかる、次に雨
ジャングルは燃えさかる
太陽はまるでオレンジのようだ
ヴェトナムよりも美しいところは
ほかにどこにもない
ヴェトナムよりも美しいものは
ほかになにもない

彼の心臓が鼓動を打つのをやめても
車の輪は回り続けた
彼が最後にもらした言葉は
彼らをほめたたえる歌だった
わたしはすべての人たちに仕えた

わたしは国土のすべてに仕えた
わたしがこの世を去る時には
同士たちが泣いてくれますように
わたしのあふれんばかりの愛情は
あの金色の星々をちりばめた
空のように尽きることがない

疑問が彼の
彼の頭に疑問が浮かび上がった
自分は言葉どおりの人間だったろうか
自分は心に思い描いていたとおりの
いい人間だったろうか
南部の魂に
苦々しさだけが広がる

人々は泣き叫び
男たちは死に続ける
それでも、とても美しい
とても美しい
どうかもうひと押し
もうひと押しだけ車の輸を
どうかもうひと押しだけ車の輪を回させてほしい

どうかもう一度だけ革命を
もう一度だけ車の輪を